2015年9月30日水曜日

お兄ちゃんの過酷な日々

息子はただいま地獄の1か月の終盤を迎えようとしている。
この1か月間の彼の生活は親の私から見ても本当に過酷であった。
なにがそんな過酷かというと、ロードーという学生時代に任意で行われる
軍事訓練と学生生活の2重生活を送っていたためだ。

ロードーに関しては前にも書いたが、簡単に説明するとタイには兵役があり
21歳の時にくじ引きで決まる。くじ引きに外れたものは
絶対に兵役を2年勤めなければならない。逃げたり、行かなかったものは
タイ国民といての権利を与えられず、結婚もできなければ土地を買うこともできず、
IDカードも作れない。
そのくじ引きを唯一免除できる制度がこのロードーで、
学生生活もしくは20歳までに1年に1か月、
3年間この軍事訓練を受ければよいというもの。
軍事訓練にはいろいろなリスクが伴うので、参加しない子もいる。
息子の高校では3人に一人ぐらいが参加しないそうだ。

息子は朝5時20分に起床。訓練のために軍服のような制服に着替え、
編み上げのブーツをはく。装備を全部そろえるのにいつもより
時間がかかるため5分早く起床。
そのまま普段どおり学校に行き、午前中はその格好のまま普通に授業。
午後から移動して訓練センターに向かう。そこから5時まで訓練。

泥の中を匍匐前進したりするので、全身どろどろ、
天気の良い日は日に当たりっぱなしなので真っ黒。訓練後ははらぺこ。
急いで何かをかきこんで、テコンドーの練習。

夜9時過ぎに帰宅。どろどろになった制服の泥を高圧ホースで洗い流し、
その後の洗濯は私にバトンタッチ。
泥にまみれた制服は、洗濯機に入れられる前にかなり時間をかけて
泥は流しているにもかかわらず、3回ぐらい洗濯機を回しても
まだまだ茶色く濁る有様。
何度洗っても透明な水になることはないので、3回ぐらいであきらめる。

そして息子はパンツ一丁のまま、学校から出された大量の課題にとりかかる。
なぜなら、彼らが訓練をしている午後の授業で出た課題を
やらなければならないから。
これが終わるのが恐らく真夜中の2時か3時。
私は先に寝てしまうのだが、いつもこの時間に寝る前にシャワーを浴びる音が
夢の中で聞こえてくるからだ。
そして約3時間後に起床時間。

この生活を2週間近く続けたある日、息子は
「オレ1か月もつかな」とつぶやいた。 長くなるので次回に続く。

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