2017年8月13日日曜日

にいにのラブストーリー

彼女いない歴17年の息子に彼女ができた。思えば小学生のころ、何年も好きだった初恋のクラスメートに2度ふられて以来、もう恋なんてしない、なんてーーというわけではないだろうが、すごく好きになる子はいなかったらしく、心配になるほど彼女ができなかった。ごくごくたまに好きだと言ってくれる子もいたようだが、生意気にも断ったりしたこともあるらしい。

まあ、見た目からしてめっちゃもてて困ります、というタイプではないし、バリバリの3枚目だと母の眼から見ても思うので、恋愛にばかりうつつを抜かしている息子というのも気持ち悪い。母としてはそれはそれでいいかとも思っていた。

そんな男が、バレンタインデーの時についに彼女いない歴17年に終止符を打つ行動に出るのである。前からちょくちょくチャットで仲良くしていて好意を持っていた同じ学校の下級生の女の子でダンスやギターを習っていて、今年の8月にはアメリカへの交換留学が決まっているお嬢様。

息子の学校は毎年、生徒のための日が設けられていて、去年はそれがこどもの日だったが、今年はバレンタインデーがその日だった。学園祭のようなその日は授業はなく、生徒たちによるコンサートが行われたりした。友達が演奏している途中、演奏中の友達から花束を受け取り、全校生徒が見守る中、公開告白をしたというのだ。

そんな恥ずかしいことを平気でできるとは、信じられない!本人は多少なりとも緊張したというのだが、それよりも短い高校生活楽しまなきゃ損損、という気持ちのほうが強か
ったというから驚きだ。

まあ、そんな自分の恋愛話を母親にうれしそうに話す男だからできる仕業といってもいいのか。 ほどなくして、彼女からよいお返事をいただき、めでたくかわいらしい彼女ができた。

時には、夜中にチャットで喧嘩してその騒ぎに私を眠れなくするという迷惑行為や、映画にいったまま何時間も連絡が取れなくなり、心配したお相手のお母さんが息子の担任の先生にまで連絡をし、息子たちのフェイスブックが大炎上するというような事件も起こったりしているが、彼女のお母さんがうちに息子を送ってきてくれたりしてご挨拶も済ませた状態なのでなんとなく楽しく平和にやっているようである。

そんな彼らには8月に彼女がアメリカに留学に行ってしまうという苦難が待ち受けている。この先彼らがどうなっていくのか、ちょっぴり心配な母である。